システム開発紛争のポイント(1)完成品の不可視性

    システム開発紛争(1)完成品の不可視性

    一般にシステム開発はオーダーメイドであるため、契約当初は完成品というものを誰も見たことがないという特色があります。例えば注文住宅であれば、完成品を模型やディスプレイで可視化できるが、システムは可視化ができないわけです。ベンダーが要件定義支援をどのように精密にたたいても、完全な完成品のイメージをユーザがもつことは期待できないことになります。故に、ユーザがシステムの完成度に満足しないことが殆どであり、かつそれは一定限度でやむを得ないのであって、完成段階において、補修・修正というものが必然的に発生します。そうなると、ユーザからは「このクレームは重大だ、代金は支払えない」という主張の機会を常に与える余地を残すことになります。

    民法上のことでいいますと、当該クレームが重大かどうか、つまり欠落した部分がクライアントにとって不可欠であったかどうか、そしてそれを当初からベンダが吸出しをしていたかどうか、が一つのポイントになりましょう。
    仮に、ベンダがその吸出しをしなかったのであれば、さらにこれを当初から吸出しと理解をなすべきであった点が更に過失として問われることになります。とはいえ、そのあたりの議論になりますと、ベンダが一般に要求されている専門技術業者としての技術・知識レベルがどの程度かという困難な立証課題に突入し、その立証責任を負うのは原則としてユーザになりますので、ユーザが苦戦を強いられることになるでしょう。
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    カテゴリ:Ⅰ システム開発紛争     

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