検索エンジンgoogle(グーグル)と法律問題

    検索エンジン

    代表的なgoogleなどのロボット側検索エンジンを念頭に検索エンジン一般に問題となるプライバシーや知的財産権等の権利侵害をまとめています。

    1検索結果表示による著作権等の侵害
    検索エンジンで検索結果が表示された画面にはサイト名のほか、コンテンツの一部を抜粋して表示しておりますので、この抜粋は著作物の複製・頒布に該当することになります。著作権法はその解消をしており、この点は違法の問題は現在生じていません(著作権法47条の6)。

    他方、検索結果表示では画像なども表示されることになり、この点で肖像権侵害、プライバシー侵害が考えられ、またテキストにおいても名誉毀損などの問題は依然として解決はしていない状態です。このことは、グーグル等の検索エンジンに限らず、プロキシ(中継サーバ)のキャッシュについても同様の問題があります。プロキシのキャッシュの保存と送信は著作権法では検索エンジンと共に適法化されたのですが、プロキシは適宜に翻訳・変換を行っており、この点で著作者人格権の侵害ということは問題として残ります。またその他の権利侵害について検索エンジン同様のケアがなされていないという問題があります。

    なお、googleマップのストリートビューではプライバシーの問題はサービス開始当初から生じていました。とはいえ、利便性が優るという判断からか、プライバシーについて抜本的な対応はしていないようです。

    また、検索エンジン側が閲覧履歴からターゲット広告をすることがありますが(ポータルサイトも同様)、それが個人情報保護法違反になるのではないかという議論があります。しかし、閲覧履歴からの特定はIPアドレスから行っており、IPアドレス自体は個人情報に該当しない(特定の個人と結び付けられているわけではない)ため、個人情報保護法の違反は生じないと考えられます。


    2サジェスト機能と名誉毀損
    いわゆるサジェスト機能は検索エンジン側の積極的なサジェストがなされている点で、名誉毀損を惹起する単語をサジェストすれば名誉権侵害になるのではないか、という点が問題となっておりました。東京地裁では差止め命令について仮処分のみならず本訴でも原告請求を認容しましたが(H25.4.15)、googleは未だにその対応をしていないようです。昨年の仮処分に対しても応じる意向はないようですので、googleは基本的に日本の裁判所の判断に必ずしも従う意向はない様子です。これに対し原告側としてはアメリカでの執行を検討することになりますが、再度アメリカで争うことになるのでしょう。


    3検索エンジン検閲による不当除外(スパム除外・村八分)
    検索の際、検索エンジンスパムなどの検索妨害行為があるサイトや各国の法律に照らし合わせてgoogleが違法と判断したサイトを、意図的に検索結果から除き、ユーザーが該当サイトのURLを検索できないようにすることがあります。この場合に除外されたサイトとしては、googleに誤解があるとして法的な訂正ができるかが問題になります。法律としては独占禁止法の問題と考えられますが、アメリカでも最近独占禁止法に該当しないという調査結果が出ており、日本でも同様の結論になりそうです。この問題は立法で対策を講ずるしかないのでしょう。とはいえ、宗教的政治的対立によるサイト除外など多分に複雑な問題を孕んでいます。


    4メタタグ・広告キーワード等による商標権侵害
    メタタグ・広告キーワード等にライバル会社の商標名を設定し、googleでライバル会社が検索された際に自社も検索結果に表示させる、ということがライバル会社の商標権侵害になるかという問題があります。当然自社のサイト表示内のテキストでライバル会社の商標は使えませんが、メタタグ・広告キーワードであれば一般に表示される画面には分かりませんので、商標権侵害はないのではないか、ということが争点の中味です。そのとおり侵害ではないと思いますが、類似判例として大阪地裁H19.9.13があります。

    なお、広告ということでいいますと、検索連動型PPC広告における不正クリック問題があります。PPC広告の詐欺的な広告料請求は当然違法となりますが、これは一般に立証は困難を要するでしょう。そのような悪質な業者かを事前に見極めるようにしたいものです。

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    カテゴリ:Ⅲ 著作権等知財及び名誉権     

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