CtoC、BtoC取引(ネットショップ、オークション)上のトラブル

    ITにおけるCtoC、BtoC取引(ネットショップ、オークション)

    本稿ではネットショップ・オークションの取引当事者間で問題になりやすいテーマについて解説しています。

    1.掲載した写真が実物と異なる場合、説明違いや隠れた問題があった場合
    出品ウェブ上の記載が実際と異なる場合は、結論としては原則として返品・キャンセルが可能です(電子消費者契約法3条)。ただ、どの程度の違いや不備でキャンセルや返品ができるかは個々のケースで判断しなければなりません。ある程度の問題があっても、それに相応する金額であれば我慢しなければならないと判断されやすいでしょうし、出品サイト側の説明の仕方等にもよりけりです。オークションでは自動車や宝石類などの高額商品がありますが、この場合は相場及びサイト側の説明義務については慎重に判断されるでしょう。

    どうしても納得がいかないという場合で相手がこれに応じない場合は裁判の可能性が考えられますが、コスト面で考えますと、数百万円単位の争いでなければコスト倒れになり、法的な追求は諦めざるを得ないことが多いと思います。そのため、事前によく確認して購入することが最善の自衛策になるでしょう。


    2.気に入らなかったのでキャンセルする場合(購入者・落札者側の都合返品)
    出品・販売側が事業者のときは、特定商取引法の「通信販売」に該当しますので、法定返品権というものがありまして(特定商取引法15条2)、購入側は商品を受け取ってから8日以内であれば返品・キャンセルができます。これはオークション事業者でも同様です。
    他方、出品・販売側が個人で、しかも事業者ではないときは、都合返品はできないことになります。

    3.ノークレームノーリターンについて
    まず、ノークレームノーリターン(NCNR)は中古品など代替物が性質上あり得ない商品に限り適用されます。NCNRを謳っていても、同種商品に替えられる性質の商品ではその特約は意味がないということになります。(NCNRは特定物における瑕疵担保責任免除特約であるため。)

    ただし、出品側が事業者の場合、相当な説明義務がありますから、その点の義務違反ということでNCNRのケースでも返品が可能となる場合があり得るでしょう。なお、クレームがつくような問題を出品側が知っていた場合、当然NCNRは適用されませんが(民法572条)、故意の立証を購入側には期待できないため、民法572条による追求は難しく、むしろ説明義務違反ということが法的構成の選択肢になります。

    4.価格が間違った場合
    ネットショップでは、価格の桁を間違えて出品し、購入されてしまった場合、それを誰が見ても誤りだろうと分かるのであればショップ側はキャンセルができます。(錯誤無効)
    オークションでは、出品者の意図しない低廉な金額で落札されることがありますが、もちろん取り消しはできません。ただ、オークションによっては仕様で入札取消しができることがあります。

    5.出品者、購入者の住所が分からない場合
    相手の住所等が分からないが、責任追及等で住所等が知りたい場合は運営側に問い合わせることになりますが、通例特定は困難です。弁護士であれば弁護士会照会などでISP等からIP開示などにより一定の調査は可能です(ただコストの問題はあります)。
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