IT商用利用(1)消費者保護法

    ITと消費者保護法

    1規制の内容

    インターネットにおいては、消費者は事業者と比べて判断能力に劣りますので、その観点からの消費者保護を図る必要があり、このために設けられたインターネット商業利用に対する規制としては、特定商取引法、景品表示法、最後に消費者契約法が問題になります。具体的には、特定商取引法にて第11条『広告の表示義務』、第12条『誇大広告の禁止』、第14条『顧客の意に反して契約の申し込みをさせようとする行為の禁止』などが問題になりますが、より広く景品表示法で一般に誤認させるおそれのある表示は同法違反になる可能性があります。また、同法にかろうじて違反しない場合であっても、消費者契約法9~10条により無効になる可能性もあります。

    例として問題になりやすい広告ないしプロモーション表示としては、
    ショッピングサイトでの「送料無料」の表示
    情報提供サービスの無料利用時間の表示
    インターネット接続サービスの速度の表示
    などがあり、

    また商流別に見ると
    フリーミアム
    口コミサイトへの事業者自身の偽装書き込み
    フラッシュマーケティング
    アフィリエイト
    ドロップシッピング
    コンプガチャ
    などがあげられます。

    こうしたケースごとに消費者庁では整理してまとめていますので、詳しくはそちらをご参照ください(消費者庁「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」)。なお、各個別の違反の有無についてはほとんどが個別の判断が必要になります。

    2違反の効果について
    (1)消費者庁による対応
    上記のような法律に違反した場合、被害を受けた消費者としては、まず消費者庁に申告する方法が考えられます。消費者庁では景品表示法違反被疑事件として調査することができます。ただ、これは必ずしも消費者の申告によって常に行われるわけではなく、あくまで消費者庁の自主判断によります。

    (2)訴訟による救済の可否
    それ以外に具体的な救済としては最終的には訴訟による損害賠償等が考えられますが、一般に特定商取引法、景品表示法の違反によってただちに取引が民事上違法となるわけではないと考えられています。この点も訴訟救済が可能かどうかは個別の事情によることになると思われます。

    3特記 アプリケーション開発事業者による継続課金と解約
    アプリ事業者としてはできるだけ解約を避けて継続課金を稼ぎたいところで、解約がなかなかできないという問題がよく見かけられます。サイト側としては、あまりに解約の制限を厳しくするとユーザ側からの法的追求のリスクがあります。
    まず解約については一定の解約手続を用意しておく必要がありますが、これを非常に分かりにくくする場合があります。アプリの提供事業者は、特定商取引法11条の「通信販売」に当たるので、広告の中に「解除に関する事項」(解除方法の案内)をユーザが簡単に分かるようにしておく必要があります(特定商取引法11条5号、特定商取引法施行規則9条3号)。
    また、解約に高額の違約金を定めたり、解約の時期を制限することがありますが、常識の範囲を超える制限をすると、消費者契約法10条による無効とされることがあります。
    どの程度が無効になるかは、グレーな部分が多々あると思います(消費者センターや相談を受けた弁護士は認定が難しく、コスト的にも裁判をしにくい)が、消費者からの苦情相談が多く集まるアプリではトータルとして考えたときに一定の仕様変更は避けられないでしょう。

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