プログラム著作権④侵害行為の類型別検討

    プログラムと著作権④侵害行為の類型別検討

    ※逆コンパイルについてはプログラムと著作権③を参照。

    ①インストール
    インストールは端末にコピーをするわけですから、複製に該当します。そのため、私的使用を超えた複製権のないインストールは侵害行為となります。

    ②バックアップディスク
    バックアップディスクも形式上当然複製に当たりますが、私的使用として例外許容されるということになります。もっとも、一旦オリジナルを譲渡した場合、バックアップディスクを保存することはできず、これを保存したままにしておくと複製権侵害になります(著作権法47の3の2項)。

    ③プログラムのダウンロードなどにおける一時的蓄積(経由サーバのキャッシュ)
    通信混雑回避のためのキャッシュによる複製は複製ではあるものの、例外的に許容されます(著作権法47条の5の1項)。

    ④スタティックリンク(静的リンク)によるライブラリの使用
    静的リンクの場合、実行形式ファイル内にライブラリのコードが取り込まれる、つまりその時点で実行ファイルに複製が生じているため、ライブラリ内のコードについて複製に該当します。

    ⑤ダイナミックリンク(動的リンク)によるライブラリの使用
    動的リンクの場合、実行形式ファイルが実行される際にライブラリのコードがロードされ、実行形式ファイルには、ライブラリのコードは含まれませんので、ライブラリをダイナミックリンクで実行時に使用する実行形式ファイルを作成する行為は、ライブラリ内のコードの複製とは考えられないことになります。
    ただ、その実行形式ファイルを実行すると、ライブラリファイル内のコードがメモリにロードされることになり、そうしたRAM(電源を落とせば消えるメモリ)への一時的過渡的蓄積が複製に当たるかという点が問題になります。上記③にも関連する問題になりますが、この点、一時的に蓄積ということであっても複製に当たるという解釈も不可能ではないが、否定する判例もあります(「通信衛星デジタル放送番組『スターデジオ』事件=平成12年05月16日東京地方裁判所(平成10(ワ)17018))。
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    カテゴリ:Ⅲ 著作権等知財及び名誉権     

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