課金制アプリと資金決済法の手続き

    課金制アプリと資金決済法の手続き

    課金制アプリには前払式支払手段に該当するものが多く見られます。その場合には、資金決済法上の届け出を各財務支局に行うことになりますが、その点についてはIT商用利用(2)課金アプリ、電子マネーと資金決済法をご覧ください。
    その手続きの概要は次のとおりです。

    ポイント:届出手続き自体は簡易なものですが、未使用残高の50%相当額について供託等が必要となりますので、その点についての検討が課題になると思われます。

    具体的手続き:

    1 届出が必要になるタイミング
    ユーザから預かっている未使用分の資金が3月末または9月末のどちらかの時点で1000万円を超えた場合に、その時点から2カ月以内に資金決済法上の届け出が必要になります。
    届出名:「自家型前払式支払手段の発行の届出」

    ※基準時が3月末または9月末となっており、後述4のとおり半期ごと報告が必要なため、税務上の決算期も予め3月末または9月末にされることをお勧めします。
    ※1000万円を超えるとなると、おそらくユーザ数が数千人規模に達する場合が予想されますので、開設当面に必ずしも届け出する必要はありません。

    2 届出の手続きのポイント
    (1)窓口 東京の場合:関東財務局理財4課(湯島駅所在)

    (2)届け出の方法
    書式はこちら(電子政府)から入手します。

    必要書類の概略:
    ①会社登記簿謄本、②代表者の住⺠票抄本、③直近の確定申告書控え、④届出時の貸借対照表及び損益計算書、⑤未使用残高の50%超分にかかる供託書正本またはこれに代わる金融機関との保全(または信託)契約書
    ※④については決算期を3月末または9月末にしておれば、③と兼ねることができます。
    ※⑤については後述「5課題」ご参照

    (3)届出に要する期間
    事前に供託ないしこれに代わる金融機関との保全(または信託)契約が必要になりますが、届出書類が整えば受理されるということで待機期間を想定する必要はありません。

    4 届出後の半期ごとの報告
      いったん届出をしますと、その後半期ごと(3月末と9月末から各2カ月以内)に報告義務が生じます。具体的には、添付ファイル「【半期報告】書式…」に帳簿データをプリントアウトして提出することになります(郵送可ですが、帳簿データの形式について一定のルールがありますので、最初の報告時は事前に確認する必要があると思われます。)。この場合、報告時点で以前より未使用残高が増額し、供託している額が過少になった場合は、追加でその分の供託が必要になります。

    5 届出時の課題(供託ないしこれに代わる金融機関との保全(または信託)契約について)
    上記でも触れましたとおり、届出義務が発生した時点で、未使用残高の50%超相当の供託ないしこれに代わる金融機関との保全・信託契約が要求されます。方法として、供託は最もシンプルですが、資金の運用が凍結されるデメリットがあります。そのため、これに代わる金融機関との保全・信託契約を締結する方法があります。
    この前払い式支払い手段の保全・信託を受け付けている金融機関は次の通りです。
    ・十六銀行
    ・みずほ銀行
    ・三井住友銀行
    ・三菱東京UFJ銀行
    ・りそな銀行
    ・日本割賦保証株式会社

    制度としては、供託と上記の保全・信託契約を混合させることができます。当初は供託で足りても、未使用残高が爆発的に増加する場合には、供託で資金を凍結されるのを避けるため、保全や信託を考えることになりましょう。金融庁の話しでは、全額供託で済ませる業者、保全・信託を利用する業者、あるいは混合型のいずれも数としては偏ってはいないということです。


    ≪20170417追記≫
    外国法人と資金決済法
    外国法人の発行する仮想通貨は資金決済法の適用外であり、国内で流通させることはできない(資金決済法36条)。そのため同法による届出主体は、国内法人又は国内に営業所登記のある外国法人のみとなる。外国法人が日本において自家型前払い支払い手段を発行する際には、一旦国内会社を設立または営業所登記する必要があることに留意を要する。


    リンク→資金決済法上の資金移動業の登録の内容(ポイント課金制アプリの送金サービス等)

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