P2P型仮想通貨(ビットコイン)の法的問題

    仮想通貨には、ビットコイン等の発行者がいないP2P型のそれと、発行者が存在するパターン(モバコインや魔法石など)に分けられます。仮想通貨に関する法的問題は、法適合性、強制執行の可能性、交換所の倒産などの問題が考えられます。

    ■法適合性
    (1)資金決済法
    為替取引を規制する銀行法、業務上預り金を規制する出資法との関連ですと、その例外的位置にある資金決済法との関係が問題となりますが、一般に発行者の存在する仮想通貨であれば資金決済法の適用を当然受けるが、発行者がいないビットコイン等のP2P型は当然「発行」という要件を満たさず、かかる法律の規制対象外である。
    ただし、取引所については、仮想通貨交換業者としての登録を要することとなった(H29.6追記)

    リンク→資金決済法上の仮想通貨交換業登録のポイント(ビットコイン、リップル、イーサリアム)


    (2)金融商品取引法
    基本的に仮想通貨自体は、有価証券類や通貨・商品といった有体性がないため、規制対象ではない。ただし、デリバティブ資産としては有体物に限らないため、その投資取引を金融商品取引法の施行令で指定さえすれば、金融商品取引法による規制にかかることになる。ただし、これは交換所に対する規制であり、一般のビットコイン通貨取引にかかる規制ではない。
    (3)警察法上の規制
    古物営業法や犯罪収益移転防止法などが考えられるが、いずれも仮想通貨自体が規制対象にならない。(限定列挙)

    ■強制執行の可能性
    まず発行者のある仮想通貨の場合、発行者(管理者)が第三債務者となり、債権執行が可能となる。
    他方、発行者のない場合、「その他の財産権」(民事執行法167)として、債権執行に準じて執行が可能であるが、その際、第三債務者がないため、「取り立てが困難」である場合に該当するため(同法)、譲渡命令ないし売却命令による換価が考えられる。としても、いずれにせよ、パスワードを債務者から取得する必要があり、そのための強制執行手続きが存在しないため、事実上は執行は不可能と言わざるを得ない。

    ■コイン交換所の倒産
    マウントゴックスの倒産に見られるように利用者たる債権者の保護が問題となり、具体的には、債権者として交換所の通貨について、破産法等の取戻権が認められるかが問題となる。交換所(倒産会社)がIDごとに通貨を分別管理していた場合には取戻権を認める余地があるが、一括管理の場合には、取戻権を認める素地が見当たらない。ここの事例に応じて判断が分かれると思われる。




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